そんなこんなそんなこんなそんなこんなそんなこんなそんなこんな

6月某日
目の前には河童、そしてT氏。河童は小さな靴下をカギ針で編んでいる。
「そんなわけで銀賞です」
河童がカギ針をT氏の手の甲に突き立てる。
「に~~~~~~~~!!!!!!」
「おいT、この代償どうしてくれるんだ? 俺はお前に大賞にしろと命じたはずだぞ? どうする? 24時間耐久河童相撲でもするか? それとも差額の400万お前が払うか?」
「!!!!バカか! 俺に受賞作を決める権限などあるはず無かろう! 銀賞でもありがたいと思え! こんな本に100万なんてドブに捨てるのと一緒だわ!」
「T~物は考えようだ。お前の目が節穴でこの作品は金を産む卵かも知れんぞ?」
「選考委員の先生方がお決めになられたのだ! その方々の目は節穴ではないわ!」
「誰が酷評していた?」
「そんなこと言えるはず無かろう!」
「T~~~~」
カギ針を深くまで突き立てグリグリする河童。涙を流しながらも口を割らないT氏。暴力には屈しない、これが宝島魂なのか!? よく分からんけど。
「まぁ良い、次の一手は考えている」
河童が今までに見せた事のないほど悪い顔で笑う。空いている手で『このライトノベルがすごい!2010』の表紙をめくる。
「コイツも審査員であったよのぅ」
「バカ! 今この人に何かあったら俺の編集人生終わるわ!」
「ほぅ、つまり一(いち)蓮(れん)托(たく)生(しょう)」
「どこがじゃ!」
河童が指さした先には女性の写真、「特別選考委員・栗山千明(女優)」
「この人にお話を伺うとしよう」
河童の目が真っ赤に光る。

―――「このラノ大賞」銀賞受賞




※本作はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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