そんなこんなそんなこんなそんなこんなそんなこんなそんなこんなそんな

6月某々日
河童は意外と雨が苦手。
「なっはははははっ鼠が! 鼠が逃げ回っておるわ!」
外は雨。河童は朝から『トムとジェリー』デラックスDVDを見て大笑いしている。何分あんだこのDVD、我が家のテレビは朝からずっと『トムとジェリー』だ。
ジリリリリ。呼び鈴が鳴る。立ち上がり玄関を開ける。
「河童、お前栗山様に何をした」
雨でズブ濡れになったT氏が玄関前に立っている。
河童は視線をテレビから外(はず)さず答える。
「何もしておらんよ。まぁしいて言えば挨拶程度」
「栗山様がいきなり電話で大間の作品に栗山千明賞を付けたいと言い出した。何をした河童! 栗山様は泣いていたぞ!」
 T氏は土足のまま部屋の中に入り河童の胸ぐらをつかむ。河童素知らぬ顔。
「何をした!」
「まぁしいて言えばトムジェリ遊びよ。俺がトムで栗山千明がジェリー、俺はこの猫のようにしくじりはしないけどな」
河童はT氏の目を見ていやらしく笑う。
「Tお前このままでいいのか?」
「な、何の事だ」
「自分が担当した作家が大賞を取れず、売り上げもパッとしなかったらお前どうする?」
「そ、それは……」
「社内の立場も悪くなるのではないのか?」
「お、お前には関係ない事だ」
「大丈夫、俺に任しておけ。お前を一番にしてやる」
「な、何を……」
「大間に乗っかれT、この馬はお前をさらなる高みに連れて行ってくれる勝ち馬だぞ」
「…………………………」
T氏は河童の胸ぐらを放し、俺の前に正座する。三つ指をつき、頭を深々下げる。
「大間先生。栗山千明賞、受賞おめでとうございます」

河童の目が真っ赤に光る。

―――「このラノ大賞」銀賞から栗山千明賞へ変更




※本作はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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