このライトノベルがすごい!文庫 スペシャルブログ

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2010年09月

君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君―第8話―  大間九郎

そんなこんなそんなこんなそんなこんなそんなこんな

3月26日
「二次は23人か、思いのほか残ったな」
「俺! 俺! 天才! 天才!」
「バカか、まだ何も始まっておらんわ。しいて言えばここからが勝負ではないか」
「河童、勝負っていったい? 候補者全員で相撲とか?」
「そんなわけあるか! ここからはきっと編集部全員が全作品を読むことになる。誰かひとりでも人間、お前の作品を強烈に押す人間がいればきっと通るはずだ」
「河童、俺、頑張る」
「頑張ってもしょうがない。ここからは俺が一肌脱ごうでは無いか」
「何すんの河童」
「何、ひとりいればいいのだ。ひとり強力にお前の作品を押す人間が」
 河童がわっるい顔で笑う。
「脅しか?」
「それしかあるまいて」
「いいねー」
「任せろ人間」
「行け河童!」
「その前に」
河童が俺に抱きつく。
「おめでと、人間」
 目頭が熱くなる。電気を消し、足で乱暴に布団を広げる。
「河童! 河童! 河童!」
「人間! 人間! 人間!」
二人の夜は更けていく。

―――「このラノ大賞」二次通過




※本作はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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対象作品
『ランジーン×コード』 大泉貴
『僕たちは監視されている』 里田和登
『ファンダ・メンダ・マウス』 大間九郎
『伝説兄妹!』 おかもと(仮)
『暴走少女と妄想少年』 木野裕喜

上記作品を読んだ感想を書いた記事を、本エントリーにトラックバックしてください。(過去にエントリーした記事でもOKです)
感想は複数作でも、1作のみについてでも構いません。

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対象期間は2010年10月30日まで。

皆様のいろんな感想お待ちしております!

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君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君―第7話―  大間九郎

そんなこんなそんなこんなそんなこんなそんな

2月26日
「人間、まだ一次ではないか泣くな」
「俺、俺、こんな嬉しい事今まで無いかも……」
「まだ111人もライバルがいるのだぞ。まだ始まったばかりだ」
「河童、俺、これで一人前かな?」
「何の一人前だ? お前は元々一人前だ。一人前食べるし、ほら、夜も、ほら、ばか」
「河童、俺、頑張る」
「もう頑張る事は何もないではないのか? もう出すもの出したし、後はまな板の上の鮒だ」
「河童、二次は何人くらい残るかな?」
「まぁこの感じでは10人から20人前後ではないか?」
「5分の1!」
「サクサクいったほうが良いではないか、次(つぎ)で5人にしてくれたほうが手間が省ける」
「河童! 俺残れるかな……」
「知らんよ、後は神のみぞ知るだ」
「河童…………」
「自分を信じろ人間」
「それが一番無理」

―――「このラノ大賞」一次通過




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君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君―第6話―  大間九郎

そんなこんなそんなこんなそんなこんな

『このライトノベルがすごい!』大賞
「お前が嫌だ嫌だで何も決まらん。もうこれが最後の砦だ人間。これに送ろう」
「んじゃそれにするか」
「今日から書け人間」
「おー今日から書くわ」
「ぐすっ、人間が文句言わずにやってくれてる」
「あーまぁとりあえず、ここから始めるわ俺のサクセスストーリ」
「頑張って! 応援する! 500万」
「いいねー」
「何か今日は精のつく物作るね! 楽しみにしててね!」
「どんな話がいいの河童?」
「なんか良く分かんない! ライトノベル読んだ事無いから!」
「俺もないわさ」
「高村薫みたいな? 宮部みゆきみたいな?」
「フィリップ・K・ディックみたいな? 村上龍みたいな?」
「そんな感じで」
「そんな感じで」
 河童は何も言わないが、俺もそれには触れないが、おれは後戻りできないとこまで来てる。
少しずつだが確実に、
 河童の腹はでかくなってる。

―――「このラノ大賞」に向け執筆開始




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君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君―第5話―  大間九郎

そんなこんなそんなこんなそんな

河童はなにげに読書家だ。
「人間、ここは天国だな」
「否定はせんよ」
日曜、伊勢崎町、有隣堂本店、地下1階。
「まずは漫画だ人間」
「おー『クッパパ』最新刊で出るジャン」
「人間、それはブックオフで」
「何言ってる河童! それではとち先生に印税が入らないではないか!」
「しかし家計は楽になる」
「家計よりとち先生だ」
「料理に釣りに楽しんでいるとちより明日のキュウリの心配をしろ人間」
「キュウリよりとち先生の娯楽のほうが大事だ河童。何か欲しいモンがあるなら待ってこい」
河童ダッシュ、一ヶ所で止まり手招きをする。
「なんだ?」
「これを」
「これをなんだ?」
「この『こち亀』を全巻買ってくれ人間」
「お前こそブックオフだわ!」
 二人で『こち亀』と『クッパパ』最新刊を前のサテンで読む。
「人間。俺は絵心がある」
「おーマジで凄いジャン。そんで?」
「原作・人間、作画・河童でこの賞を狙おうではないか」
 河童が携帯を突きだす。
『このマンガがすごい!』大賞
「賞金800万」
「いいねー」
「『バクマン』方式で」
「いいねーちょっとここ描いてみ?」
ボールペンを差し出しナプキンを指さす。河童サラサラサラ。
「どうだ人間?」
「何これ山水画?」

―――「このマンガ大賞」断念




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君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君―第4話―  大間九郎

そんなこんなそんなこんな

河童は意外とロマンチストだ。
仕事から帰ると河童は洗濯物を畳みながらパソコンを食い入るように見ていた。
「おう、帰ったか人間。まずこれを見ろ」
河童はホームページを指さす。
『日本ラブストーリー大賞』
「これ狙おうや人間」
「なんで?」
「杏てなんとなく俺に似てね?」
「どこがよ?」
「ほら口モトとか」
「お前口、くちばしジャン!」
「肌の質感?」
「お前緑で蛙の腹みたいな質感ジャン!」
「そこがチャームポイント」
「そこは否定はせんよ」
「そんな感じで甘い話を書いてだな人間」
「どんな感じか!」
「人間と俺のこんな感じで大賞500万」
「いいねー」
「俺の好みは鳴海丈」
「いやらし過ぎるわ!」
「そういえばイヤラシイ事しかしてないな俺達」
「だな」

―――「ラブスト大賞」断念




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君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君―第3話―  大間九郎

そんなこんなそんな

河童の甲羅は着脱可能だ。
仕事から帰ると河童は甲羅を陰干しにし全裸でパソコンを食い入るように見ていた。
「おう、帰ったか人間。まずこれを見ろ」
河童はホームページを指さす。
『このミステリーがすごい!』大賞
「これ狙おうや人間」
「なんで?」
「賞金1200万」
「いいねー」
「俺、内容考えたから」
「何々?」
「大火傷した河童が心臓外科医を目指す話。命狙われて、師匠の医師は厚生省キャリア官僚で、謎が次々解明されて、ラストはコンテストで、スポ根と医療、未知との融合」
「なんかスンゲー良いねー。題名は」
「さよならバチスタ」
「パクリだろうがいや!」
「パクッてない! オマージュ! オマージュ!」
「それよりこっち来いよ」
「何まだ帰ったばっかで」
「いいからほれほれ」
「明かり! 明かりは消して!」

―――「このミス大賞」断念




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君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君―第2話―  大間九郎

そんなこんな

河童の朝は早い。
トントントントン台所で包丁がまな板を叩く音が聞こえる。
「おう、おきたか人間。まず顔を洗え」
河童は水掻きのついた手でタオルを渡す。私は受け取り洗面台で顔を洗う。
食卓にはキュウリサンドとキュウリジュース、キュウリジュースは千切りキュウリをガラスのコップに入れて上から氷で重しをし、三ツ矢サイダーをそそいだモノだ。色鮮やかでなにげに旨い。
河童はキュウリを食う。
ひゅるりと一口で一本を食う。
噛んだりしない。喉越しを楽しむ感じ。
「河童。いつまでここにいるんだ」
「おまえの望みを叶えるまでだ」
「俺の望みは自分で叶える。お前の力はいらない」
河童はニヤリとこっちを見ていやらしく笑う。
「お前みたいな何も才能の無い三十男に何が出来る? いつまで自分の才能を信じる? ねーよ才能。お前にはなんにもねーよ。諦めろ、俺に頼れ、俺がお前を時代の寵(ちょう)児(じ)にしてやるよ」
「出て行け河童」
「つれねーな人間」
「俺の視界から消えろ河童!」
「ぐすん、昨日の夜はあんなに激しかったのに…………」
それを言うなや――――――




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君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君  大間九郎

本日から、
栗山千明賞受賞『ファンダ・メンダ・マウス』の著者・大間九郎の
連作短編「君の止まり木はたぶん俺で俺の止まり木は必ず君」
を、毎日掲載していきます。

掲載初日の本日、第2話からのスタートに疑問も感じる方も多いと思います。
実は本作の第1話は、以下のサイトで掲載されている受賞コメントなのです。

第1回『このライトノベルがすごい!』大賞/大賞作品詳細
http://konorano.jp/info/win/win03.php

第1回『このライトノベルがすごい!』大賞/受賞作特集
http://award2010.konorano.jp/kuriyama/

第2話から読んでいただいても問題ありませんが、
まず受賞コメントを読み、
その後、第2回へと読み進めていただけると、
より楽しめるのではないかと思います。

では、『ファンダ・メンダ・マウス』とは異なる
大間九郎の世界をご堪能ください。

http://award2010.konorano.jp/
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受賞式レポート!

昨日9月14日に第1回『このライトノベルがすごい!』大賞受賞式を
ホテルニューオータニにて行いました!

多くのプレス関係者や評論家、当大賞関係者をお招きして、無事、執り行うことが出来ました

また、当日は特別選考委員でもある栗山千明さんにプレゼンターとしてお越し頂き、各作品の感想なども直接お話いただきましたよ!

14:00 関係者会場入り
スタッフは、一足早く、控え室に入り受賞者の到着を待ちます。

14:30 受賞者到着
受賞者が一堂に会するのはこれがはじめて。
なのに、打解けるのが早い早い(笑)
とっても和気藹々とした雰囲気でした。
受賞者どおしで、サインをもらい合っていたのが面白かったですね。

この最中にも会場では受賞式の準備が着々と進んでいます。

15:00 リハーサルスタート
受賞者を含めて、当日の受賞式の流れをおさらいです。

と、ここでサプライズ!
会場に特別選考委員の栗山千明さんが到着されました。
色めきたつ受賞者&編集部(笑)

栗山さんを含め、全員で流れを確認します。
栗山さんの立ち居振る舞い、さすがでした。
本当にすごいですね。

16:00 会場オープン
お客様が続々到着。
受付ロビーが活気づきます。

一方、控え室もたくさんのお客様。
最終選考委員の方々や、イラストレーターさん、受賞者のご親族なども到着。
遠方の受賞者とイラストレーターさんは初顔合わせということもあって、
ちょっとした感動のご対面が実現!
(まあ、男どおしだったりするんですが(笑))

16:30 受賞式スタート
_DSC0015





ステージはこんな感じ。

『このラノ』編集部Uの挨拶ののち
そして、いよいよ栗山さんが登場です!
_DSC0046





リハーサルのときに見た普段着から、
赤のドレスに着替えた栗山さん。
会場の雰囲気がいっそう明るく、華やかになりました!

HPにも掲載している、トレーラームービーが、
会場内に流れます。

16:40 そしていよいよ各賞の授与がスタート。
_DSC0068





トップバッターは優秀賞『暴走少女と妄想少年』の木野裕喜さん
栗山さんから花束と目録を受け取り、握手。
うらやましいですね。(笑)
栗山さんには作品の感想を頂き、
その後、木野さんには挨拶をしていただきました。

木野さんの後は
特別賞『伝説兄妹!』のおかもと(仮)さん
(受賞式本番でも(仮)のままでした(笑))

栗山千明賞『ファンダ・メンダ・マウス』大間九郎さん
_DSC0119





(作品タイトルに合わせて、当日はアロハにネズミ(マウス)のTシャツで登場!)

金賞『僕たちは監視されている』里田和登さん

そして、
大賞『ランジーン×コード』の大泉貴さん
_DSC0235





の順で進んでいきました。

受賞の喜びはもちろんですが、今後の執筆に対する強い意欲を、受賞者全員が語っていたのが印象的でした。

そして記念撮影。
まずは、受賞者のみで。
_DSC0185

 




パシャリ!

次は栗山さんを交えて。
_DSC0204

 




(みなさん、ちょっと緊張ぎみでしょうか?)

そして、最後は栗山さんのみで。
_DSC0217

 





乾杯の挨拶の後は、
歓談となり、受賞式の夜は更けていきました。

当日、会場内には作品をディスプレイし、
_DSC0229





実際に手に取ることが出来るようになっていました。

また会場の入り口では
_DSC0234

 

 


昨日のスタッフブログ
にも掲載した
ウェルカムボードがお客様をお出迎えしていました。

18:15 終了!

おかげさまで、第1回『このライトノベルがすごい!』大賞受賞式を
無事に開催することができました!
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。

このライトのノベルがすごい!文庫をよろしくお願いいたします。

以上 受賞式レポートでした!

受賞作特集 http://award2010.konorano.jp/
大賞公式サイト http://konorano.jp/
公式ツイッター http://twitter.com/konorano_jp 

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