太陽神アンバレンス(以下 あ)「いやー。増刷が決まりました。おめでとうございます」
見直された土地 土地神 赤鞘(以下 赤)「おめでとうございますー」
あ 「こうね! 増刷とかするとこう、なんかすごく良いらしいですよね!」
赤 「どう良いんだかいまいち分からないですよね、興味がないと」
あ 「分かりやすくいうとですね。元々用意して多分が足りなくなったから、追加で作る!
ってことなんですよ」
赤 「それだけ多くの人に、『神様は異世界にお引越ししました』を、読んでいただいてるっ
てことですねぇー」
あ 「ありがたいですねー」
赤 「嬉しいですねぇー」
あ 「いやー、ホントありがたいですねー。もうありがたすぎて、クリスマス返上でありが
たがるレベルですよ!
(収録はクリスマス前に行っています)
赤 「ほんと、え、そう、あれ、関係なくないですか?」
あ 「いやぁー、もうほんとねー。クリスマスで浮かれてる奴ら爆発すれば良いのに」
赤 「え、アンバレンスさんクリスマス知ってるんですか?」
あ 「地球でねー、パーティーやるからってぇー、あつまったんすよぉー」
赤 「はぁはぁ。何処でやったんです?」
あ 「新宿ですよ、新宿」
赤 「新宿って、わざわざ地球でやったんですか?」
あ 「もうねぇー! カップルばっか! カップルばっかなの! 燃やし尽くしてやろうか
と思いましたねっ!」
赤 「まあ、皆さん幸せなのは良いことじゃないですかぁー」
あ 「俺のっ! 幸せがっ! ないっ! 圧倒的にないっ! 皆無! 彼女! 欲しい!」
赤 「えー。でも最高神ってモテそうじゃないですかぁー」
あ 「普通はそうなんでしょうけどねっ! もうね、仕事とかねっ! 他にも色々な要因が
あってね! 主に性格なんですけど! チクショウ!」
赤 「まぁまぁ、落ち着いて」
あ 「くそう! こうなったらクリスマス撃滅団を組織して地球に急襲かけてやる!」
赤 「落ち着いて! アンバレンスさん本当にやりそうなんですから! 洒落になりませんて!」
あ 「いいんだっ! サンタクロースを襲ってプレゼント強奪するんだ! そしてすべてのプレゼントに悪いカップルを八つ裂きにする絵本を入れる!」
赤 「駄目ですよそれ! 駄目なヤツですよ!」
あ 「いいんだいいんだ……! どうせ誰も隣にいないクリスマスなんて……! あ、そういえば赤鞘さんはクリスマスとかどうだったんです? 地球時代」
赤 「切り替えはやっ! え? ええとですね、あー。でも殆ど覚えないですねぇ」
あ 「え? 日本なのにですか?」
赤 「ほら。私ずっと農村部の小さな社にいたじゃないですか。クリスマスとかがメジャーになる頃には、大分寂さびれてきてまして。にぎやか、って感じでは無かったですねぇ」
あ 「へー。まあ、あの規模じゃあ、普通のお祭ならともかくって感じですか」
赤 「そうですねぇ。ああ、でも、一つ覚えてる事がありますよ」
あ 「お! どんなんです!?」
赤 「弟さんとお姉さんのご姉弟さんがいたんですけどね? クリスマスのプレゼントを、私の所にお願いに来たんですよ。それが、おかしくて」
あ 「おかしい?」
赤 「ええ。お姉さんは、いつも手伝いをしてくれる弟さんに。弟さんは、いつも迷惑をかけているお姉さんに。プレゼントをあげてくださいって」
あ 「へ、へぇー……」
赤 「もちろん私じゃ、そういうのは叶えてあげることはできませんけどね」
あ 「まあ、分野が違いますしね」
赤 「その代わり、きちんとサンタさんには伝えましたよ」
あ 「え。知り合いなんです?」
赤 「はい。一応土地を通過する許可を出す事になりますし。お二人の希望が叶ったようでしたし、本当に良かったです」
あ 「あ、なんか、ごめんなさい。生まれてきてごめんなさい」
赤 「ええ?! いや」
あ 「俺は……俺はなんて煩悩にまみれた神なのか……!」
赤 「大丈夫ですよ! 普通ですよ! 羨ましがるのはっ!」
あ 「赤鞘さんも羨ましがるんですか」
赤 「私一回死んでるので。ほら、死んでから神様になってますし。ソッチ系の欲求とは無縁なもので」
あ 「くっ! こうなったら、アレをゲットして清い心を手に入れるんだっ!」
赤 「あれですか?」
あ 「そう。そうです! 手に入れれば心が洗われるような気分になると評判の本! 『神様は異世界にお引越ししました』一巻二巻です!」
赤 「え、そうつなげるんですか!?」
あ 「というわけでクリスマスプレゼントにも最適な『神様は異世界にお引越ししました』、ぜひお買い上げください」
赤 「ええ!? あ、よろしくお願いしますー」
あ 「お年玉でもいいのよー!」
【完】